軽井沢で初公開! NDロードスター新色ジンクグリーン2026

2026.06.02 — NEW COLOR REPORT

NDロードスター 新色
ジンクグリーン
軽井沢で世界初公開

2026年5月31日、軽井沢ミーティング2026にてマツダが発表。NDロードスター初となる緑系カラー「ジンクグリーンメタリック」——工業塗料の機能美から着想を得たこの色が、なぜロードスターに似合うのかを考えた。

「緑のロードスター」をずっと待っていた人がいる。2026年5月31日、軽井沢ミーティング2026でマツダが世界初公開した新色「ジンクグリーンメタリック」は、NDロードスター初となる本格的な緑系カラーだ。工業製品の下地塗料から着想を得たというその色の作り込みと、ロードスターというオープンスポーツに緑が似合う理由を考えた。

軽井沢ミーティング——ロードスターファンが集う聖地での発表

軽井沢ミーティングは、ロードスターファン有志による国内最大級のイベントだ。今年で32回目を迎えた2026年の開催では、マツダが「ジンクグリーンメタリック」を施したロードスターを世界初公開した。新色の発表の場として、全国からロードスターオーナーが集まるこのイベントを選んだことには、マツダのブランドへの姿勢が表れていると感じる。

// 世界初公開
2026.05.31
軽井沢ミーティング2026にて発表
// 色の名前
ジンクグリーン
正式名称:ジンクグリーンメタリック
// 対応モデル
ロードスター/RF
ソフトトップ・RFの両モデルから順次導入
// 発売時期
順次導入予定
市場により発売時期は異なる(マツダ公式)

「ジンクグリーン」とは何か——工業塗料から生まれた色

名前の由来は「ジンククロメートプライマー」という工業用の防錆下地塗料だ。金属の腐食を防ぐために塗られるこの下地の、機能から生まれた合理的な色味——それをマツダは「機能美」と呼び、ボディカラーとして昇華させた。

暗所と明所で表情が変わる設計

暗所ではソリッド調の質感で、引き締まった力強い印象を生み出す。一方、明所では繊細なメタリックの輝きがボディの造形美を際立たせ、洗練されたモダンな印象を演出するという。

青みを帯びた光輝材の配合と粒径の最適化によって仕上げられた「クールな緑」だ。従来のスポーツカーに多いブリティッシュグリーン系の深い緑でも、ライトグリーン系の柔らかい緑でもない。工業製品的な冷たさと金属的な輝きを持つ、新しいカテゴリの緑と言っていい。

NDロードスターのボディカラー——ジンクグリーンはどう位置づけられるか

カラー特徴印象
ソウルレッドクリスタルメタリックマツダの看板カラー。深みのある赤情熱的・ロードスターの定番
スノーフレイクホワイトパールマイカ清潔感のある白上品・汎用性高い
セラミックメタリックくすみ感のあるグレー系都会的・落ち着き
マシーングレープレミアムメタリック引き締まった濃いグレー精悍・スポーティ
ディープクリスタルブルーマイカ深みのある青知的・上品
ジンクグリーンメタリック(新色)工業塗料の機能美から着想。青みの緑モダン・クール・唯一無二
NDロードスター初の「緑系」カラー:
NDシリーズ(2015年〜)を通じて、本格的な緑系カラーの設定はなかった。待ち望んでいたオーナー・購入検討者が多く、発表後すぐにSNSで「ついに来た」「これで買う」という反応が相次いだ。オープンカーと緑の親和性は高く、山道・海沿いのどちらでも映える色として人気が出ることは容易に想像できる。

ロードスターで走るということ

ロードスターは速い車ではない。最高出力は132馬力(1.5L)。タイムを刻むための車でも、高速を流すための車でもない。

でもそれがいい。

屋根を開けて走ったとき、風・音・匂い・温度が同時に飛び込んでくる。エンジンの回転が上がるたびに手に返ってくるフィードバック。コーナーで自分の意思通りに向きを変える軽さ。これだけのことが、200万円台で手に入る。

ジンクグリーンのボディで山道を走ったとき、緑の木漏れ日の中でどう見えるか。オープンにして海岸線を流すとき、この色がどんな表情をするか。色が走り方・行き先を変えることがある。そういう意味で、新色の登場はロードスターを選ぶ理由が一つ増えた出来事だと思っている。

限定生産になる可能性:
マツダはこれまでも「魂動レッド」「スノーフレイクホワイト」などを特別仕様車・限定色として展開してきた実績がある。ジンクグリーンが限定生産になれば希少性は一気に高まり、中古市場での価値も安定しやすい。発売後の台数管理次第で「あの色が欲しかった」という需要が生まれる可能性は十分にある。

ロードスターという車の本質——なぜ30年以上売れ続けるのか

1989年のNA型初代から数えて、ロードスターは30年以上にわたって生産・販売され続けている。これは単に「安いスポーツカー」というだけでは説明できない。

「人馬一体」という哲学

マツダがロードスターの開発コンセプトとして掲げてきた言葉が「人馬一体」だ。ドライバーの意思が車に伝わり、車の動きが体に返ってくる感覚の一致——これを実現するために、ロードスターは徹底的に軽く・小さく・シンプルに作られている。NDの車重は約990kg。現代の軽自動車より軽い。この軽さが「動かしている実感」を生む。

屋根を開けることで変わる世界

オープンカーの体験は、クローズドボディとは根本的に違う。風・温度・匂い・音が直接飛び込んでくる。エンジンの排気音が空気を振動させる感覚が変わる。雨の翌日の山道を走れば、緑の匂いと土の湿気が鼻をつく。季節を体で感じるための乗り物として、ロードスターはほぼ唯一の選択肢だ。

200万円台で手に入るドライビングプレジャー

NDロードスターの価格は275万円〜(2026年現在)。この価格帯でこれだけのドライビング体験が得られる車は、世界を見渡しても他にほぼない。ポルシェ ボクスターは1,000万円超。ロータス エランは生産終了。「乗ること自体が目的になる車」という意味において、ロードスターはコストパフォーマンスの極北にある。

なぜ今「緑」なのか——グリーンカラーのトレンド

ジンクグリーンの登場はマツダだけの動きではない。自動車カラーの世界で今、グリーンが明確なトレンドになっている。

BASFのコーティングス事業部が発表した「自動車OEM塗料カラーレポート2025」によると、グリーンは有彩色の中で世界的に最もトレンド性の高い色となり、着実に増加し続けてブルーとレッドに次ぐ人気上位3色の一つとなった。レッドは市場全体のわずか3%にとどまった。

2025年のデータは、自動車が単なる移動手段から所有者のライフスタイルを象徴するアイテムへと再定義されていることを示している。「リセールバリューを考えて白にする」というこれまでの常識に対し、「自然を感じる色に乗る」という価値観が台頭している。グレー・カーキ・オリーブといったアースカラー系も同じ文脈で支持を集めており、「個性を主張しすぎず、でも白・黒ではない」という色の需要が世界的に広がっている。

グリーンを選んだ各ブランドの動き

BMW「Isle of Man Green」・フェラーリ「Verde Nurburgring」・ランドローバー「Grasmere Green」——近年のスポーツカー・高級車市場では、各ブランドが独自のグリーンを投入する動きが続いている。個性・自然・希少性を表現する色として、グリーンがアイデンティティカラーとして機能し始めている。

イギリス車とグリーンの伝統——ブリティッシュレーシンググリーン

ロードスターは日本車だが、その開発思想はイギリスの小型ライトウェイトスポーツカーに多大な影響を受けている。初代NA型の開発責任者・平井敏彦氏はロータス・エランへの憧れをベースに設計したと語っており、ロードスターとイギリス車文化は切っても切れない関係にある。

そのイギリスにおいて、グリーンはレースカーの「国籍カラー」として100年以上の歴史を持つ。

ブリティッシュレーシンググリーンの起源

1900年代初頭の国際自動車レースでは、各国が国籍を示すカラーを持っていた。フランスはブルー、イタリアはレッド、ドイツはシルバー——そしてイギリスはグリーンだった。この「ブリティッシュレーシンググリーン」は現在もブランドのアイデンティティとして生き続けている。

アストンマーティンとグリーン——F1の成功が火をつけた

アストンマーティンはグリーンを最も象徴的なカラーとして扱うブランドだ。2023年シーズンにF1でアストンマーティンが初表彰台を獲得した直後、レーシンググリーンの受注が急増し、アストンマーティン史上初めて新車購入時に最も人気のあるカラーになったという出来事は、「モータースポーツでの活躍がブランドカラーの価値を上げる」という現象をリアルタイムで見せてくれた。ヴァンテージやDB12のレーシンググリーンは、単なるボディカラーではなくブランドの哲学そのものだ。

ロールスロイスのグリーンという美学

ロールスロイスはビスポーク(完全個別受注)文化の頂点にある。グリーン系カラーもオーナーの依頼に応じて数百通りの配合から作られる。「ゴースト」「ファントム」がまとう深みのあるダークグリーンは、富と静粛性の象徴として別格の存在感を放つ。大量生産ではなく「世界にひとつだけの色」という文脈においても、グリーンは特別な意味を持つ色だ。

アストン・ロールスロイスに代表される「上質なグリーン」と、ジンクグリーンの「工業的な合理美から生まれたグリーン」——アプローチは異なるが、どちらも「緑が持つ深みと個性」を最大限に引き出そうとしている点では共通している。

中古市場への影響——旧色の希少性も上がる

新色が加わると、既存カラーの希少性も変化する。特にソウルレッドは「ロードスターといえばこの色」という認知が強く、新色登場後も需要は安定するとみられる。一方でジンクグリーンの新鮮さは、「色で選ぶ」というロードスターならではの購買動機を刺激する。

日本市場への正式導入時期はまだ確定していないが、発表後の反響を見ると導入は早まる可能性がある。新色の発売前後は中古車市場でも旧色モデルが動きやすいタイミングになることが多く、乗り換えを検討しているロードスターオーナーにとっては注目の局面だ。

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