ホンダ EV撤退で6900億円の赤字!ハイブリッド車のリセールと今後の車選び | AUTOMATCH

ホンダEV撤退で6900億円の赤字
市場の急変とハイブリッド車の「本当の価値」

ホンダの赤字ニュースと自動車市場のデータを分析する猫探偵

📑 本記事の事実確認・データ引用元

  • ホンダ公式 投資家向け情報
  • ※業績予想の数値や販売台数(想定値)は、2026年3月時点のIR情報と自動車オークションデータ等を基に客観的に分析・シミュレーションしています。

先日、「ホンダが北米でのEV開発を中止し、最大6,900億円の赤字を計上する」という衝撃的なニュースが報じられました。一見すると世界的企業のネガティブな業績ニュースに思えますが、実はこの出来事、私たちが今後「どんな車を買い、いつ手放すか」という市場の基準に直接的な影響を与える、非常に重要な転換点でもあります。

今回は、自動車市場のデータを日々分析している「AUTOMATCH」が、このニュースの裏側にある「売上には問題ない健全な本業」のリアルから、意外と知られていない「ハイブリッド車のリセールバリュー(再販価値)の構造」について、客観的なデータを交えて詳しく解説します。

目次(この記事でわかること)

  • 1. なぜ「6,900億円」の赤字が出たのか?(ニュースの背景)
  • 2. 本業の「売上」と「HV販売」は極めて健全
  • 3. ハイブリッド(HV)への回帰と各社の違い
  • 4. 私たちの「車選び」への直接的な影響
  • 5. 知っておきたい「ハイブリッド車のリセールの仕組み」
  • 6. 【例外】あえて「純ガソリン車(NA)」を選ぶという選択肢
  • 7. トータルの視点で車の本当の価値を見極める

1. なぜ「6,900億円」の赤字が出たのか?(ニュースの背景)

ホンダの最大6,900億円という最終赤字は、販売不振による借金ではなく、ビジネス上の「致命傷を避けるための損切り(前向きな計画変更)」による一時的なものです。

同社はアメリカで莫大な開発費や工場設備を投じていましたが、環境政策の変更(補助金打ち切り)等による急激な「EV離れ」が直撃。
「このままEVに注力しても、赤字が雪だるま式に膨らむ」と判断し、計画をストップ。これまでに投じた設備や開発費(約1兆1,200億円分)を帳簿上で無価値としてマイナス処理した結果、今回の巨額赤字となりました。

つまり、理想と現実の乖離にいち早く対応し、伤口を広げる前に将来の爆弾を清算した費用と言えます。

2. 本業の「売上」と「HV販売」は極めて健全

ここが最も重要なポイントです。「6,900億円の赤字」だからと言って、ホンダが経営危機にあるわけではありません。

実際には、本業の儲けを示す「売上高」や「営業利益」は極めて高水準で健全です。なぜなら、主軸であるハイブリッド車の販売が絶好調だからです。数字でそのリアルを見てみましょう。

📊 ホンダの本業の稼ぎ vs 今回の一時的な赤字(想定データ)

  • 本業の稼ぎ(売上高) 約 19兆円 (健全)
  • 本業の利益(営業利益) 約 1兆2,000億円 (高水準)
  • 今回の損切り費用(減損損失) 約 ▲1兆1,200億円 (一時的)
  • 最終損益(赤字) 約 ▲6,900億円 (一時的)

撤退を決断した本当の理由は、次のグラフを見れば一目瞭然です。本業であるハイブリッド車・ガソリン車の販売は好調(全体の9割以上)なのに対し、EVだけが目標から極端に乖離してしまったのです。

📈 北米パワートレイン別販売台数の目標と現実

⚡ EV(電気自動車)
販売の「現実」(目標の1/10) 全体の 約3.5%
🚗 ハイブリッド・ガソリン車(主軸の本業)
販売の「現実」(極めて好調・目標通り) 全体の 約96.5%

ホンダの売上は、主役である「ハイブリッド車」が力強く支えています。
赤字は「売れないEV」の資産を清算しただけ。本業の稼ぎ頭(HV)は、むしろ過去最高の勢いです。

来期(2027年3月期)の決算も、撤退費用の処理で一時的に厳しい数字になる見通しですが、本業の稼ぎ頭であるハイブリッド車(e:HEV)への集中投資によって、中長期的にはV字回復に向かうシナリオが有力視されています。

3. ハイブリッド(HV)への回帰と各社の違い

EV戦略を縮小したホンダが次に軸足を置くのが「ハイブリッド車(HV)」です。インフラの心配がないハイブリッド車に需要が戻ってきている今、各社のハイブリッドシステムの違いが再び注目されています。

  • トヨタ(THSⅡ):圧倒的な燃費と効率を追求した、エコカーの王道。
  • 日産(e-POWER):100%モーターで走るため、EVのような静かさと加速感。
  • ホンダ(e:HEV):街中はモーターのスムーズさを活かし、高速道路ではエンジンを直結させて力強く走る「いいとこ取り」のスポーティな設計。

4. 私たちの「車選び」への直接的な影響

大手メーカーが「当面はハイブリッドが主役」と判断したことで、市場の認識も「ハイブリッドが一番現実的で安心」という方向にシフトします。

これにより、短期的にはハイブリッド車の需要が増加し、中古車市場でも人気が集中します。当面はハイブリッド車を中心に相場が動いていくことになります。

5. 知っておきたい「ハイブリッド車のリセールの仕組み」

⚠️ 人気=リセールが高い、とは限らない現実

「需要が高いなら、数年後に手放す時(リセール)も高いはず」と思われがちですが、ハイブリッド車には長期的に見ると買取価格が下がりやすい特有の要因があります。

① バッテリー寿命の懸念

大きな駆動用バッテリーの寿命問題。年数が経過すると高額な交換費用がかかるリスクがあり、これが中古車市場ではマイナス査定の要因になります。

② 海外輸出需要の弱さ

複雑なシステムを持つハイブリッド車は、修理設備が整っていない新興国などでは敬遠されがちです。海外輸出需要が弱いため、国内の需要のみで価格が決まり、値下がりしやすい傾向があります。

③ 市場の供給過多

新車でハイブリッド車を買う人が増えれば、数年後には中古市場に同じようなハイブリッド車が溢れます。需要に対して供給が多くなりすぎると、相場は自然と下がっていきます。

6. 【例外】あえて「純ガソリン車(NA)」を選ぶという選択肢

ハイブリッド車の値下がりリスクを避けるため、また車本来の魅力を楽しむために、今あえて純粋なガソリンエンジン(自然吸気=NAエンジン)を選ぶ層が増えています。

NAエンジンとは、電気モーターの力を借りず、シンプルな構造で走る昔ながらのエンジンのことです。

🔥 なぜNAエンジンはリセールが高騰するのか?

  • 壊れにくく、メンテナンスが容易: 複雑なシステムがないため長く安心して乗ることができます。
  • 圧倒的な海外需要: 修理が簡単な純ガソリン車(特にSUVやスポーツカー)は世界中で絶大な需要があり、古くなっても高値で輸出されます。
  • 「普遍的な運転の楽しさ」: 特にスポーツカーを中心に根強いファンがおり、価値が落ちにくい(あるいはプレミアがつく)ケースが多々あります。

7. トータルの視点で車の本当の価値を見極める

「これからはハイブリッドだ」というニュースや流行りだけで車を選ぶのではなく、その車の構造、将来の海外需要、そして長期的な維持費など、市場のメカニズムを総合的に見て判断することが納得のいく車選びに繋がります。

この記事が、皆様の車選びや現在の車の価値を見直すきっかけになれば幸いです。


もし、ご自身の車の客観的な価値を知りたい時や、次の車選びで迷った時は、AUTOMATCHのサービスもご活用ください。

プロによる「トータルの条件整理」

税金や査定の「不透明な計算」に惑わされないために。
プロの目線で、現在の車の価値と維持費を客観的に算出します。

内容を一緒に整理しましょう。AUTOMATCHの目的は、
知識の差による「不利」をなくし、公平な車探しをサポートすること。
売り手優位の不透明な市場構造を、プロの力でクリアにします。

今の車の本当の価値と、本当に買うべき車の適正価格を包み隠さずお伝えします。

無料で客観的な価値を算出してみる